藤岡市の地域力を高め、誰もが安心して暮らし続けられるまちをつくるため、島根県雲南市へ視察を行いました。雲南市は、行政と地域が協働し“共助の力”を高める取り組みで全国的に知られる自治体です。今回の視察で得た知見は、今後の藤岡市の地域づくりを進める上で重要な方向性を示すものであり、政策提言につながるポイントとして以下に整理します。
■ 1.地域自主組織の成熟度から見えた「行政と地域の役割分担」
雲南市では、各地域で住民が主体となり、
- 課題の把握
- 解決策の企画
- 事業の実行
を行う “地域自主組織” が確立しています。
ポイントは、行政が単に「任せる」のではなく、制度設計・助成・伴走支援を通じて地域の主体性を引き出していることです。
〈藤岡市への政策方向〉
- 地域づくりセンター・支え合い協議会の「役割の明確化」と「伴走支援の強化」
- 行政主導から、地域と行政が共同で課題を解決する仕組みへの転換
- 地域が“自分たちで決められる領域”を増やす制度設計
藤岡市の現状では、支え合い協議会が十分に機能しない地域もあり、本気で再構築する必要があると感じました。
■ 2.移動支援・買い物支援における複合的アプローチの重要性
「だんだん号」や「はたマーケット」は、単なる“買い物支援”ではなく、
- 見守り
- 健康づくり
- 地域交流
- 地域経済の循環
を同時に満たす多機能拠点として運営されていました。
〈藤岡市への政策方向〉
- 交通弱者支援(免許返納後の問題)を買い物支援・見守りとセットで捉える
- 交流・福祉・産業を結びつけた「地域拠点モデル」の形成
- 移動販売や地域商業の支援を“地域福祉政策”として位置づける
藤岡市でも特に周辺地域では移動困難が深刻化しており、今後の地域拠点づくりの核にできると考えています。
■ 3.担い手を育てる「幸雲南塾」モデルの導入可能性
雲南市では、地域の担い手を“待つ”のではなく、行政・NPO・企業が連携して計画的に育てている 点が特徴です。
地域づくり、福祉、起業、コミュニティ形成など多様な分野の人材が育ち、地域のプロジェクトを担っています。
〈藤岡市への政策方向〉
- 市内での「地域活動人材育成プログラム」の立ち上げ
- NPO・大学・企業との連携による若者・女性の参画促進
- 地域コーディネーターの体系的育成
藤岡市にも地域コーディネーターはいますが、体系的な育成機関はなく、今後の制度整備が必要です。
■ 4.コミュニティナースの視点は「防災」「福祉」「健康」を横断する
コミュニティナースは、医療行為ではなく「暮らしの中の元気を支える」新たな支援の形です。
普段の関わりから、その人の“変化”に気づける点が、防災・福祉・健康づくりにおいて極めて重要です。
〈藤岡市への政策方向〉
- 高齢化が進む地域における健康支援・見守り人材の確保
- コミュニティナース的機能を地域包括支援センターと連携して取り入れる
- 既存の民生委員・支え合い協議会の機能と組み合わせた新しい地域支援モデル
藤岡市も今後、地域包括ケアの中に横断的支援人材の配置を検討すべきです。
■ 5.総括 ― 藤岡市が今、動き出すべき方向性
今回の雲南市の視察を通じ、以下の点を強く実感しました。
◎ 行政が一方的にサービスを提供する時代はもう終わる
市民と行政が対等な立場で地域を支える体制づくりが不可欠です。
◎ 担い手の“不足”ではなく“育てていない”ことが課題
藤岡市でも人材育成の仕組みを本気でつくる必要があります。
◎ 買い物・交通・福祉・交流は「別々の問題」ではない
複合的に解決する政策が求められます。
◎ 支援は「単年度の補助金」ではなく、「伴走型の長期支援」が必要
地域が自立し、継続的に活動できる設計が重要です。
藤岡市でも、
「地域の問題を地域で解決できる力強いコミュニティづくり」
を実現するための制度改革と支援体制の再構築が急務です。
今回得た知見を踏まえ、私は議会での提言、政策立案、地域づくりセンターや支え合い協議会への支援強化など、具体的な取り組みにつなげてまいります。





